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2013/04/26

Powershot NのUSB充電可不可問題とその対策

えっと、CaptureOneの導入記事をなんとか仕上げてメール。
さらにアサヒカメラの原稿を頼まれてて〆切をずっと過ぎてるのだけどなかなか頭の中が固まらなくてまだ途中です。やばい。書きます。

でも今日のネタはPowershot Nの充電問題。

昨日Powershot Nが届きまして、
本体がmicroUSBじゃなくてminiUSBなのが大変残念なのだけど、
まあ、miniUSBなら一時期主流だったこともあり(今は終わってるけど)、
うちにケーブルも短いヤツがひとつあるので
それで充電しようとしたのですよ。

USB出力のACアダプタなんていくつも転がってるので、
わざわざ純正のを出す必要もないな、と、iPhone用ACアダプタに。

それが……充電できないのだ。

充電のインジケータが点灯しない。
そこで普段使ってるUSB電源であれこれ試してみた。

普段使ってるバード電子のTS3……ダメ
iPhoneやiPad用ACアダプタ……ダメ
ソニーのXperia用ACアダプタ……Ok
パソコンのUSB端子はもちろんOk
モバイルバッテリでは、
Cheero Grip……Ok
SANYO eneloop モバイルブースター……ダメ

なぜそんなことになってるのか。

実は以前から、Android機やUSB充電対応デジカメが
ACアダプタやケーブルによって充電できたりできなかったりというケースがあったのだけど、レビュー用の貸出機だとあまり細かい検証できないので気になりつつ放置してたのだ。
自分で買ったSONYのCyber-shotはだいたいどれでも充電できてたから問題なかったし。
今使ってるオリンパスのXZ-2も大丈夫だったし。

で、今回、やっと重い腰を上げて調べてみたのですよ。

いや、具体的にはFacebookでヘルプ出したら、
友だちが教えてくれたり、ヒントをもらったので自分で調べたりしたんだけど。
USBバッテリ充電の基礎:サバイバルガイド - チュートリアル - Maxim
知らなきゃ損するiPhone,Androidの急速充電の仕組み - 瀧(TAKI,Yasushi)/紅呪(kohju)のBlog

歴史的経緯としては
USBを電源として使う動きが増えてきた
→これはやばいと2009年にBC 1.1という規格ができて、最大1.5Aを給電可能になった。

そのとき、充電用電源の定義が3つ作られた。
そのひとつが、デジタル通信を行わない、つまり充電専用ケーブルとしてUSBを使う場合の規定で、最大1.5Aの供給が可能になってる。今回のポイントはそこにあった。

もともとUSBって、5Vで500mAの規格なので、
充電してもらうガジェットの側はいいけど
500mAしか想定してない機器に1.5Aを要求すると、
供給側が危険なことになる。
そうならないよう、機器同士で検出できないといけない。
でも、USBは電源2本、信号線2本のシンプルな構造な上に、
ACアダプタは信号のやりとりなんてしない。
よって、信号線2本を短絡させる(短絡ってのはショート。つまりつないじゃうってことですな)ことで、その印としよう、となったのだ。
(たぶん、イメージとしてはそんな感じ)

で、Powershot Nに充電するには、その規格に準拠した信号線が短絡(D+/-がショート)してるケーブル、
あるいは内部で信号線を短絡させてるACアダプタのどちらかが必要なのだ。
さらに、アップルは独自の方法でその区別を行うため、
iPhone/iPad用ACアダプタは内部で信号線が短絡してないのである。
だからiPhone用電源ではPowershot Nに充電できないのだ。

ついでにいえば、古い、iPhoneメインの時代に作られたUSB電源やモバイルバッテリーにも未対応のものがあり、
わたしが主に使ってるのは数年前に出た古いUSB電源なので、対応できてないのだろう。
eneloop モバイルブースターも、Panasonicから出てる最新モデルは対応してるという話だし。

じゃあどうしたらいいか。
あれこれ調べてみると、対策は3つあった。

1) 信号線が短絡してるUSB充電専用ケーブルを使う。
 ただ、miniUSB-USBのケーブルはもはや数が少なくてどれがどれかわからん。しかも供給側が500mAしか出せないのに1.5A要求したらよくなくない? よって却下。

2) そういう状況に対応してくれるUSB変換アダプタを使う。
 そんなものがあったのだ。
 Android機でこの問題が発生したとき、それに対応するためでてきたらしい。
 確かに、初期のAndroid機は、同じメーカーの製品でも、ACアダプタを選ぶヤツと選ばないヤツがあったもんなあ。仕事で使ってて「あれ?」と思ったものな。
 AmazonでチェックしたらTAXANの製品があったので買ってみた。
 USB変換アダプタに「Apple-Android」ってスイッチがあり、これをAndroid側にすると、内部で信号線が短絡してiPhoneの充電器でもPowershot Nに充電できるのである。
 おお。うまくいったぞ。でもちょっと使いづらいし、ACアダプタ側との整合性の問題も気になるので却下。
iPhone用充電器にアダプタ。よく見るとApple-Androidってスイッチがある
3) ちゃんと信号線が短絡してるACアダプタを買う。
 iBuffaloの4口のUSBポートを持つヤツがお勧め。
 片側2つがiPhone/iPad用、反対側2つがAndroid用(こっち側が信号線短絡してる)となっているので、そっちにPowershot Nを繋げばいいのだ。
 というわけで買ってみた。おお。できた。
iBuffaloの4口ACアダプタ。左右に2つずつついてる。
Powershot Nのインジケーターが奥まったところにあってわかりにくいのが難点だけど、これならいける。今後USB給電の機器はどんどん増えていくし、旅行時も4口あればひとつもってくだけで済んで便利なので、買っちゃいました。
 よし。これで各社からどんどんUSB充電対応デジカメが出ても大丈夫だ。

 そんなわけで、Powershot Nのみならず、わたしの記憶ではニコンのコンデジもチェックがはいってるので、これでいけます。
 まあややこしいことになってるけど当面はこういう対処でいきましょうってことで。
 とりあえず何でもUSBで充電したいって方は参考にしてください。

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