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2014/08/12

青春18切符で両毛線の旅

先日、生まれてはじめて「青春18切符」(三井氏いわく「中年放浪切符」)なるものを買いまして、
今日デビュー。

友達(妻の友達なので女子であります)からローカル線の旅をしようといわれておりまして、じゃあ青春18切符で群馬へ行って「わたらせ渓谷鉄道」だ、と。
本当は11日行く予定だったのだけど、台風が来たから1日伸ばしたのだ。
そしたら、雨じゃん(泣)。

何年か前、わたらせ渓谷鉄道にはじめたのったときも、
雨だったなあ。
そういえば、2度ほど日光まで紅葉撮影にいったんだけど、
どちらも雨だったなあ。いや、2回じゃなくて3回かも。
わたしがあっち方面へ行く日は雨が降るのだ。
とほほ。

でも、トロッコ列車の予約もしてあることだし、行くのである。

新宿で早朝に待ち合わせ、まずは宇都宮線で小山へ。
途中、古河を通る。室町時代、古河公方が置かれた古河である。
利根川を挟んで上杉氏vs足利氏でにらみ合ったとこ。

小山から両毛線で桐生へ。

両毛線の両毛って何? と聞かれたので「上の毛と下の毛だよ」と答えておく。
まあ間違いではない。

群馬県と栃木県は、往古は「毛野国」というひとつの国だったのだ。
それが後に「上毛野国」と「下毛野国」に分かれた。
上毛野国が今の群馬県、下毛野国が今の栃木県。
やがて奈良時代に「国名は縁起がいい漢字2文字で表せ」というお触れがでまして、
毛が抜けて、「上野国」と「下野国」になったのだ。
でも表記が変わっただけで呼び名は変わらず、
「上野国」は「かみつけのくに」(のちに「こうずけのくに」と転化する)、「下野国」は「しもつけのくに」と「け」が残ったのだ。抜けたけど残った。
で、上毛野国と下毛野国の両方を結ぶから「両毛線」なのである。


閑話休題。

桐生駅でわたらせ渓谷鉄道に乗り換え、
大間々駅で、トロッコ列車「わたらせ渓谷3号」に乗り換える。
これ、ディーゼル機関車が客車を牽くという
たまらん構成のトロッコ列車である。

でも雨。
いやあ、わたらせ渓谷鉄道はアバウトで、乗車前に座席指定を受けるのだけど、
トロッコ列車車両へ行ってみたら、雨が吹き込んでてびしょ濡れで
とても座れる状態じゃない。
タオルくらい用意してくれてもいいのに、とはおもう、
客も少ないし、窓がちゃんとあって濡れない客車は自由席で好きに出入りできるからと
気にしないことにする。


トロッコ列車にディーゼルの匂いがただよってきて出発。
雨のトロッコ列車ってのも楽しいわ。


車中でしきりに「ぐんまワンデー世界遺産パス」でご乗車の方で原向より先の駅へ行く人は別途乗車券が必要です、的な放送が流れる。
群馬県内乗り放題のパスのことらしい。
どういうことだろうと疑問に思ってたら、
終点の足尾駅(せっかくだから終点まで乗ってみたのだ)に降りて氷解。
足尾って、栃木県だったんだ。
いやあ、群馬だと思ってました。すみません。
しかも日光市だったとは。
確かに地図をみると、日光が近いもんな。
峠を越えたらもう日光だもんな。
今回はじめてそれを知りました。



さて相変わらずノープランで出かけてるので
足尾駅を出てびっくり。何もない……腹減った。
足尾銅山跡って世界遺産に登録しようなんていう観光地だから
もうちょっとなんかあるかと思ったら、何もなかった。
ノープランすぎてすまん。

でも、地図を見ると足尾銅山観光のメイン駅という通洞駅まで1kmも離れてない。
じゃあ歩くか、ってんで、濁流の渡良瀬川を横目にてくてくと歩いてると、
しばらくして集落に突入。家が増えてきた。店もありそう。


やった……でもほとんど閉まってた。
我々はごはんを食べられるんだろうか(下調べしなさすぎ)、
と寂れた廃墟佇む街道を下っていくと、通洞駅に到着。
駅前の観光案内所とやらにはいり、
中の人に声をかけると、畳の上でくつろいでたおっさんが現れる。
ああこの感じ、いいなあ。
で、この辺で食事できるとこありますかと訪ねたところ、
川本というお店が一番近いと教えてもらう。

鰻の店らしい。足尾にきて鰻か、と思いつつ行ってみると、営業してる。
丼物がメインらしいので、3人それぞれ、鳥丼、肉丼、カツ丼と注文。
そしたら、鳥丼と肉丼が大当たり。
鰻のたれで焼いたという肉がご飯とマッチして美味なのだ。
いやあよかったよかった。

観光案内所でもらったパンフレットによると、
歩いてすぐのとこに通洞坑を利用した足尾銅山観光があるらしい。
他の坑道口は非公開なので
坑道を楽しむにはここしかないらしい。
行くしかないな、ということでてくてくと。

ミニトロッコ列車で坑道に入り、
あとは岩からしみ出た水がポタポタ落ちる涼しい穴の中を
鉱脈を掘る人形と親しみながら歩く。

予想以上に面白い。
鉱山の暗黒面についてはあまり語られないけど
観光地だしな。
濡れた岩肌を触りつつ、暗い坑道を歩いてまわる。
順路通りに見てまわる、博物館的なもの。
自由に坑道を歩き回れるわけじゃない。
にしても夏向きですよ、ここ。涼しいもの。
洞窟は湿気はあるけど涼しい。

銅山観光を出る。

土産物フロアや飲食フロアの昭和っぷりが泣ける。
大食堂は閉鎖されてるようで、
飲食フロアで営業してたのは一軒。
土日や晴れた日はもう少し賑わうのかもしれんが、
それはなんとも。
この大食堂で昭和な定食を食べてみたかったわー。

でもまあ坑道体験はよいものでありまして、
閉所恐怖症の方以外はお勧め。

次の電車まで間があったが、雨も降ってきたので
通洞駅の待合室で30分ほどぶらぶらする。
3人いて、傘持ってたのがひとりだけというアバウトな一行なのだ。

さて帰る。

帰りのわたらせ渓谷鉄道(一両編成)の中で3人とも爆睡してしまい、
桐生駅で駅員に起こされ、ほげーっとしてたら
両毛線に乗り遅れて、桐生駅のホームで30分ほどぼーっと待つことに。

帰りは両毛線で高崎へ。
高崎で弁当を買って高崎線のグリーン車で食べ、
寝て帰ったのでありました。





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