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2015/03/06

[読書]マーケティングの嘘

最近、仕事が忙しくてフルバックアップを取ってないことに気づき、
バックアップの日にする。

仕事が忙しいと合間に息抜きで本を読む。そのうちの1冊。

先月、久しぶりにロカンダ世田谷へランチを食べに行ったら、
窓にこんなものが貼ってあったのである。

ロカンダ世田谷のオーナーシェフが辻中美緒。
美人シェフのお父様が書いた本だったのですな。

読んでみるとこれがかなり面白い。

まあ世の中、しょっちゅうアンケートへの回答を要求されたり
メディアでは世論調査の結果と称して恣意的な結論を出したり
製品発表会ではその調査結果をグラフで見せて
これこれこういうわけだからこの製品はこうなのです的な話を
聞かされたりするわけだが、
しばしば「いやそれはちょっと違うんじゃね」とか「ちょっと解釈が単純すぎないか?」と思うわけで、
その胡散臭さがどうもひっかかってたんである。

「マーケティングの嘘」の「嘘」の部分がそういった「定量的マーケティング」によるものという話がこの本のひとつの柱。
大量にばらまくアンケートの欠点と解釈の難しさや限界を示し、
じゃあどういう調査がいいのか、を、
ひとりひとりの生活動線を詳しく調べるという手法で示す。
そういう意味ではマーケティングの本である。

実はこの本にはもうひとつ柱があって、
それが、定量的マーケティングへのアンチテーゼ的に
著者らが行ってる「生活日記調査」の例。
一般的に定量的マーケティングからこう導かれてるけど、
我々が調べた結果は実はこうでしたよ、という話で、
その具体例が副題の「段階シニアと子育てママの真実」に沿って
展開されるのだが、そちらが面白いのだ。

たとえば、
結婚すると女性は「家」にはいるから舅との関係が云々的ネタが跋扈してるけど、
それはもうすっかり形骸化してて、
実は
結婚したら母の実家の近くに住み、母親と仲良く一緒に買い物をしたり遊びにいったりしてる女系のつながりが濃くなってるという話。
最近、子供が独立したら広い一軒家を持てあますから便利な場所の小さな部屋に引っ越した方が云々的ネタもよくいわれるけど、実はその余った部屋は子や孫が頻繁に遊びにくるために使われているという話。

ベースになっているのは、団塊の世代が大挙して上京してきて子供をたくさん作り、それらが「核家族」となっていった結果の首都圏なので
地方ではまた事情が違うかもしれないけど、
少なくともわたしの実家で妹夫婦が一緒に住んでる→母系のつながり
のを見ると、確かにそれはアリだなと。

その視点だとすごく納得できる具体例がたくさんでてきて面白い。
これは読んでみるべし。
おばあちゃんと娘と孫がそうして近くに住んで仲良くしてると
あぶれるのはおじいちゃんで、ひとりで出かけることが増える。
健康にいいから歩くのではなく、生活の中でそういう機会が増えるわけで、
ただ散歩するだけじゃ飽き足らない年配の方はぜひ「東京古道散歩」に参加して休日を楽しんで下さい。
(というオチにしてみました)

にしても、最近、歴史ものばかり読んでたので、たまに守備範囲外の本を読むと面白いわ。

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