性交雨読ってことで、雨読した。
感想はあとで加筆する。
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「世界で勝負する仕事術」はタイトルからしてビジネス書っぽいんだけど、
東芝に就職した理系の技術者がアメリカでMBAとってやがて退職して今は大学に研究室を持って……っていうお話しだと思うと面白くないのだが、いやそういうお話しでもあるのだがここはやはり
日本における技術者の力と待遇と日本的会社のありかたとそこに納まらなかった人の脱出
的に読む方が面白く、フラッシュメモリの開発に従事していた方なので、
フラッシュメモリを代表とする最先端技術の開発/活用史としても面白く、
日本の会社が技術者をどう扱ってきたか、年功序列でしがらんでる会社の未来はどこにあるのか
的な読み方をしても面白く、
途中でアップルの話もでてきたりするのである。
iPodと東芝は深い関係にあったからね。
東芝が1.8インチHDDを開発したはいいものの大量に使ってもらえるいい用途はないかと思っていたところにアップルがあらわれて、大量に発注して、何を作ってるんだろうと思ったらiPodだったという話があり、やがてHDDがフラッシュメモリになって今にいたるわけで、その辺を知ってるとなお面白い。
ってとこで大谷さんの「アップルの未来」。
アップルの未来話が延々と続くんじゃなくて、今のアップルはどのような状態でどのように作られててどんな人がまとめているのか、という今の話がしっかりわかるというのがいいところで、その辺はさすが大谷さんであります。
アップル系に詳しい人にとっては頭の中がきれいにまとまる本だし、
ジョブズがいなくなってアップルはどうなるんだろうと短絡的気の早さを持ってる人にとっては
アップルはジョブズだけで動いてたんじゃないというのがわかる本であります。
そういえば、MacBookやiMacの新製品が最近でてないよなと思ってたら、
次はRetina Macになるんじゃないかという噂があるようで、
それはちょっとヤバい。単に性能があがるだけでは買い換えのモチベーションにはならないけど、
今のMacProであと1年は十分使えそうだし、
これがRetinaになるとなると話は変わる。
解像度が上がった分文字が小さくなるんじゃなくて、文字やアイコンサイズはそのままで密度が変わる、
うーんと、iPadがRetinaになった感じのMac版を想像してもらえればわかると思うが、
ああいう進化をずっと待ってたのだ。
もしそうなったら画期的。
さてどうなることやら。
でもって、日本沈没。2006年にリメイクな映画が作られたんだけど、それとタイアップするような感じでスピリッツではじまった連載漫画なんだが、これがメチャ面白い。きちんと原作を解釈した上で自分の話にしてる。
それが年初に電子書籍になり、買うだけ買ったけど放置してて、ふと気が向いてiPadで読んでたら、東京スカイツリーが背景に何度も登場して、
あれ? 連載当時って東京スカイツリーってなかったよな、電子書籍化に合わせて加筆訂正したのかと思ったら、
Twitterで作者の方から、当時、完成予想図が出たのでそれを元に連載の時点で描いていたとおこたえが。
それはすごい。連載は読んでたんだけど全然気にしてなかったわー。
ともあれ、311があり、東京スカイツリーが完成した今の方が、
連載当時よりリアリティがあり、読み応えがアリ、
これはもう必読でありましょうという書になっておりますです。
まあ、時代は常に動きつつ変わっていくわけで、その変化は誰の目にも明らかなんだけど、
それを認めたくない人がたくさんいて、ほっといてくれればいいのに変化の脚を引っ張ってくれたりして、
おかげで身動きとれなくなってるうちに、どんどん取り返しがつかなくなっていくのだけどよいのか、と。
なんというか「認めたくないものだな、老いた故の過ちというものを……」的な。
以上、4月26日深夜に加筆訂正いたしました。
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eBookJapan →日本沈没(まとめ買いしても2835円と破格値がついております。作者の要望らしい)
2 件のコメント:
湿度高そうですねw
Kouichi Oyama さん> 湿度高いです。日本の夏です。
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