2023/11/02

1102:還暦ですよ還暦。

60回目の誕生日を迎える。

還暦ですよ。還暦。よくもまあどこかの組織に所属することもなく会社を立ち上げることもなく、今までやってこれたものだと、社会に感謝する次第。

高度成長期の終わりくらいに子供時代を過ごし、

パソコン黎明期に学生時代を過ごし(高校3年のとき、コンピュータに未来を感じてこれは面白そうだ、ぜひやりたい、どうやら情報工学科というところへ行くといいらしい、って思ったのがすべてのはじまりだ)、

でもなぜかプログラマーとかSEとかそっち方面には行かずにライターになり、

パソコン通信の立ち上がりからインターネット黎明期にパソコン雑誌のライターとしていろんなものを見聞きし、筒井さんにも会うことができ、

ITバブルとかでIT系雑誌が雨後の筍のごとく立ち上がる中で忙しい日々を送らせてもらい、

ああ、これからはありとあらゆるメディアがデジタル化されていくのだ、これは面白いことになるぞという時代に20代を過ごし、

テキスト・音楽・音声・写真・映像……とある中でQV-10に出会って、これは面白いことになる!とそれにハマり、

いつの間にかデジカメ系のライターになり、

かつて多くの人が夢想した、すべてのデジタル化されたメディアを誰でも自由に楽しめる装置としてiPhoneが誕生し、なんかいろいろと実現してしまったなと感じ、

老後の趣味として古地図や古道を楽しみ、60歳過ぎたら自費出版でもしようかなと思ってたら、予定より10年以上はやく「東京古道散歩」なんて本を出してしまい、

タモリ倶楽部に出ることになり、

高校生の頃「腹立半分日記」などを読みながら、ああ、すごく面白そうだ、いつか筒井さんとタモリさんに会ってみたいと思ってたら、どちらとも会えてしまい、

気がついたら60歳で、江戸時代初期の痕跡を散歩する本などを書いてるのである。

60年も生きてると、時代って変わっていくものだなあってのを実感できて、

一番時代を変えてきた、デジタルの世界の進化と浸透を間近で見聞きできたのは

僥倖であるなあと思う。

ちなみに、還暦の還は「十干十二支」(つまり干支)の組み合わせがちょうど60年で一周するから。

昔の書物にしろ石造物に彫られた暦にしろ、だいたい干支の組み合わせで描かれてて、

今年は「癸卯」なのだけど、

日本って年号がころころ変わるから、多くの場合、今何年かってのを干支で考えていたみたいなのだよな。今は干支でいわれてもさっぱりわからんけど。

干支は60年で一周するけど、まあ当時の感覚では60年あれば困らなかったんだろう。

今、西暦を表すのに「下二桁」で済ますことが多いのだけど(90年代とかゼロ年代、っていうし)、それだと100年で一周する。

感覚的にはそれと変わらないんじゃないか。


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