今の原発論議って、短期・中期・長期の話がごっちゃになってて
全然噛み合ってないのが、一読者・視聴者としてすげー不満なわけなのだよ。
もうちょっと整理しようよ、誰か。
あ、いちいちソースはあげません、というか、覚えてない。すまぬ。
1)短期的な(つまり今年の夏〜再来年くらいまでの)話
・原発を一斉に止めるのは無理。いや止めてもいいけど、その分の不都合はどうするのか、と。
→今原発を止めて1ヶ月でそれを補う太陽光とか風力発電所を作る、って不可能だから
・原発を一斉に止めたら、短期的には電気代がぐっと上がる。
→原発は稼働してても、停止させてもコストがかかる。
停止させたら終わりじゃないというのは周知の通り。
停止させて使わないにしても、燃料を冷やし続けて廃棄することまで考えると長期的に多大なコストがかかる。
→どっかに、原発を発電してるときのコストと、停止させてるときのコストの差のデータがないかな。
両者の差はあまりないんじゃないかと個人的には思う。福島の件を見る煮付け。
→原発を急に止めると、その分を火力でまかなうため、追加の燃料調達コストがかかる。
→その手の燃料(石油や天然ガス)は長期計画で調達してるはずなので、
急にスポットで追加購入しようとすると、たぶん、高い
→その分発電コストがかかる。でも原発にかかるコストは(たぶん)あまり変わらない
→結果として電気代が高くなる。
・よって現実的じゃない。
・現在定期検査中の原発を稼働させるかどうか
→各自治体が、電力会社に、長期的に原発から撤退するという約束の上で、
とりあえず稼働をOkするというのがいいんじゃないかなと思ってます。
2)中期的な(つまり今後2~10年くらいの)話
・原発は古いものから順番に止めていく方向で、もちろん一切新規で作らない
→原発は新規建設時のコストが一番かかるから、それを止める
→新規の天然ガス火力発電所を作りつつ、原発は止めていくことで発電量を維持。
・足りない分は天然ガス火力で。
→火力というと石油と天然ガスがごっちゃに語られるけど、
石油と天然ガスではコストもCO2排出量も発電効率も埋蔵量も全然違う
誰が「火力」の括りで一緒にしてるんだ?
→たぶん、石油ショック時代を知ってるおじさんたちの頭の中には
石油 or 原子力
的な二者択一しかないんだと思う
→天然ガスは石油やウランよりずっと埋蔵量が多くて、中東に依存もしなくてコストも安い
→ただし、世界的な需要はどんどん伸びるので価格はあがるという話をどっかで読んだ
→日本海に大量にある、という人もいるようだが真偽は不明
・コストについては日本の資料はアテにならないので(だってたいてい推進派か反対派の資料なんだもん)
ちょっと天然ガス側にバイアスはかかってそうだけど、
米エクソンモービルの資料によると
2025年において、CO2排出税がかからない場合、原子力より天然ガスの方が発電コストは安いという試算がされてる
→個人的にいろんなサイトを見た感じだと、
→コスト的に安いのは石炭だけど、これはCO2排出量が多いので論外
→石油はコスト的に全然安くない
→原子力はなんだかんだとコストがかかるしリスクもでかいし埋蔵量もそんなに多くないので経済的じゃない
→天然ガスは既に稼働してる最新型を使えば高効率で原子力よりコストが安くて石油よりCO2も出さない
→よって天然ガスを主力に考えるべきじゃない?
・効率がよい新型の天然ガス発電所を増やし、いろんなところからバランスよく天然ガスを購入して原発が減った分、新型の天然ガス火力発電を中心に構成し直す
→ちゃんとやれば電気代もあまりあがらずにすむはず
3)長期的な(20〜30年先の)話
・で、20年くらいを目処に、原発をやめて自然エネルギーだか再生可能エネルギーだかの
割合を増やして、火力系と自然エネルギー系の2系統でまかなうことにする
ざっくりだけど
こんなあたりが一番現実的でいい落としどころなんじゃないの?
ダメなの?
どっか間違ってるとこがあったら容赦なくご指摘を。
7 件のコメント:
原発の補助金を廃止すれば良いのです。
どの原発を問題にするかという視点も必要なのかなと思いました。いま俎上にあげられているのは数十年前の「第二世代」の軽水炉ですが、第三世代、それからビル・ゲイツが売り込んでる第四世代では、まったく話が違ってくると思います。
おそらく第四世代は、比較にならないくらい安全なので、ひょっとしたら長期的には原発を選択することもアリかなと。
2点。
1) 第三世代の原発は技術的には安全性に問題はないという話は聞いたことありますが、
今の問題点は、技術より、それを運用する側(電力会社とかですね)が信用されてないことにあるので、難しいんじゃないかなあ。
2) 廃棄物の処理の問題は?
たしかに技術以前に、運営する側の問題がありますよね。それにもう今後日本では、原発という選択肢は無理でしょう。
ただ、原発が最上の選択肢ではないことは確かですが、悪い方に怖がりすぎるのもどうかと思います。廃棄物の問題もそうではないでしょうか。
いま福島の海が放射能によって汚染されていますが、では、その汚染で何がどのくらい「食べられなくなる」のかというと、現状はだいぶ安心できると評価していいのではないでしょうか。
それから、これは「詭弁」ですが、あのひどい福島の事故ですら、事故による直接の死者は一人も出ていません。もちろんそのほかの「被害」が甚大ですから、これはあくまで詭弁なんですが、しかし、「事故による死者が一人も出なかった」という事実も、まぎれもないと思うんです。
そしておそらくこの先も、今回の微量な放射線被曝によって、将来ガンにかかるひとも死ぬひとも、一人も出ないだろうと思います。よくいう「タバコのほうが危険」というのは、誇張でも屁理屈でもなんでもないと思いますよ。
ちなみに、放射線治療を繰り返し受けて、いまは健康に暮らしているひとが、どのくらいの「被爆」をしているかというと、もちろんミリやマイクロのレベルではありません。10シーベルトとか、20シーベルトというのもザラです。こういうことを考えると、いまの報道のあり方や風評が、かたよりすぎているような気もするんです。狂牛病の時みたいに。
(うーん長文になってしまい、失礼いたしました)
はじめまして。
震災後の2週間、計画停電を繰り返していたせいか、10年間動かすだけは動かしていたG4 Cubeがついに起動しなくなりました。
それはさておき、石炭も使いようによってはかなりCO2を減らせるようです。Jパワー磯子火力発電所で稼働中の「超々臨界圧」とか、現在実証試験中の石炭ガスタービンなどは、天然ガスほどではないにせよ、石油なみのCO2排出量にはなるようで、さらに技術が進めばこの点も改善が期待できると思うのですが。
いずれにせよ震災以降の状況を見ていると、ほかの国では安全に管理・運用できるかもしれない原発も、日本人にはちょっと無理な気がします。
匿名さま>
人体への影響については……途中まで書いてやめました。コメントでやりとりするよりは、たぶん別エントリだろうなと思って。書くかどうかわかんないけど。もうしわけない。
東風太郎さま>
石炭も技術が進んでいるのか。ああ、石炭も石油も天然ガスも、最新の設備で発電所を作り、運営した場合のCO2排出量や発電コストを誰かまとめてくれないかですかねえ。
多くの記事で引用されてる原発が一番安いって資料もちょっと前のだし。
ウランは海水中に微量にあります。海水膨大だから、全世界で何十億tらしい。「元素111の新知識(ブルーバックス)にも書いてある。だけど、小出裕章さんの「原発のウソ」でも書いてない。あえて隠してる(笑)。効率的に捕集する方法が現状ないからだけど。海に囲まれている日本。もしかしたら、資源大国です。
それと、ウランじゃなくトリウムなら豊富にあります。「地殻中にもかなり豊富(10 ppm前後)に存在する(
Wikipediaだけど・・・)」この件も「原発のウソ」に書いてない。
(参考)
http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/info00b2.htm
http://kotobukibune.at.webry.info/201104/article_3.html
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