2012/01/14

六本木ヒルズで歌川国芳展で百日紅は名作

浮世絵というと思い浮かぶのが杉浦日向子の「百日紅」で。
もうこれは何度読んでも飽きないすばらしい漫画で、葛飾北斎を中心とした江戸時代もの。
そこに北斎の画やそこに転がり込んでいた英泉、さらに歌川国直なんかが絡んでくる。
わたしの江戸後期のイメージは杉浦日向子漫画でできてるのである。
百日紅にも国芳はちょろっとだけでてくる。まだ17歳。
今、百日紅を読んでチェックした。これ、名作にして必読。
杉浦日向子の中でも、江戸時代を描いた漫画の中で、これが一番の傑作だと思っております。
Amazonへのリンクは一番下に。

六本木ヒルズからiPhone 4s+Snapseed & Instagramで
で、歌川国芳展へ行ってきたのである。2月まであるさとのんびりしてたら、前期と後期で展示の入れ替えがあり、前期は17日までだと聞いて、あわてて、妻とその友達と三人で六本木ヒルズへと。

それがもう面白い面白い。3人であれこれツッコミあって笑いながら楽しんできた。
だってもう、遊び心と工夫とアイデアが自由に飛び回っててしかもディテールまで凝っててその上滅法上手いのだ。
こんな遊び心てんこもりの絵を真面目な顔で見るもんじゃないよな、と。
画家じゃなくて絵師。ポップアート、あるいは人気イラストレーター、あるいは漫画家みたいな感じだったはずだ。
ネタも自由自在で、普通の美人画や役者絵より、物語を題材にしたもの、戯画っぽいものの方が自由奔放でよい。
歌川広重との合作もあるし(ふたりは同じ年なのね。同じ歌川派でも師匠は違うのがまた)、
滝行してる上人に当たる水しぶきの表現とその表情は素晴らしいし、
閻魔大王のくわっと見開いた表情やら、だるまから飛び出す手足やら、巨大な金玉袋にくるまってる狸やら
川中島戦いの上杉謙信のイケメンっぷり(何しろ、色が白くてまつげが長いのだ)vsゴツい信玄の描き分けやら
極めつけは、落書き風の絵。もうめちゃ落書き。それが上手い。

展覧会場の写真を出して「この辺のここが面白かったんだよー」とやりたいのだが、何しろ、美術館の例にもれず撮影禁止なので代わりに図録の写真を。

はじめての欧州旅行で驚いたのは、美術館が広くて自由なこと。模写も撮影も禁止されてない。フラッシュは禁止だけど、撮影自体は怒られない。だから大英美術館とかルーブルとか、撮ったなあ(まあ当時はデジカメじゃなかったので枚数はそんなにないけど)。
あれはうらやましかった。

国芳展を存分に楽しんだら、ミュージアムショップでお買い物。狙ってたグッズがひとつあったのだ。
だがしかし、そのiPhoneケースは以下の通りなりけり。

猫絵のiPhoneケースがあるというので、買うぜ、と意気込んでたら、このケースだけ「iPhone 4」専用だったのだ。「iPhone 4s」では使えないのである(具体的には、サイドのスイッチの位置が4と4sで少しずれてるので、4で決め打ちしてるデザインの古いケースはアウト)。がーん。iPhone 4時代のをそのまま使っちゃったのね。
それ以外のケースは、4専用のものと4s対応のものの両方が用意されてたのに(買う人は間違わないよう注意!)、
ああくやしい。まあ、買っちゃって、穴を削るっていう手もあるんだがな。
Roppongi Hills
六本木ヒルズの例のクモをiPhone 4s+snapseedで
その後六本木ヒルズを早々に退散し、喫茶店へ。
ふたりとも昭和っぽいのが好きなので、高度成長期のキッチュな贅沢感をそのまま継承してるクローバーへ向かうと、なんと、今月中でいったん閉店して建て替えるのだという。ああ、今の昭和なテイストが残ってるうちに行けてよかった。
最初にここでケーキ食べたのが、たぶん25年くらい前なのだが、その頃と全然変わってないの。
こういう店がまた生まれ変わるのは残念。ちなみに、昭和48年に建てられたビルでした。

という感じの土曜日でした。
てなわけで、絵画展じゃなくて、もっと気軽に絵師の技と自由奔放さを楽しみにいくという感じでどうぞ。
歌川国芳展
こういう図録のiPad版、だしてほしいなあ。
電子版でも2,000円くらいならだすぞ。

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