烏山川暗渠の北側に「世田谷文学館」がある。
世田谷文学館の隣には古い御屋敷の跡っぽい蔵や土塀があるのだが
このあたりの大地主さんだったのか。
世田谷文学館のページを見ると、
ウテナとの賃貸契約とあるので、ウテナの土地のようであり、
すぐ近くにウテナの本社ビルがあり、
かつてウテナの工場があったようだが、
この御屋敷が何であったのかはわからないまま。
あ、もしかして、と本棚から、昔買った世田谷住宅地図を引っ張り出して見る。
奥付を見ると1994年発行。世田谷文学館開館よりちょっと前だから何か情報があるかも。
と開くと、
「ウテナ東側開発計画 世田谷文学館」とある。
そこがウテナの土地で、世田谷文学館を建設中だというのはわかる。
その上にひとつ民家がある。
「久保徳全」と名がはいっている。さすが住宅地図。
さっそくその名前をググる。
→久保政吉
ウテナの創業者である久保政吉の息子であり、それを継いだ会長が久保徳全。
どうやらあの土塀の豪邸は、ウテナ会長邸らしい。
なるほど納得である。
で、その世田谷文学館で「日本SF展」が開催されている。
お昼時、上北沢でともだちとブツの受け渡しをしつつランチをしたのち、
自転車でふらっと散歩しつつ「あ、そういえば今日本SF展やってるんだった」と思い出し、ちょいと烏山川暗渠を遡って行ってみたのだ。
日本におけるSFの歴史を振り返る展示で、
古いSF好きにはたまらない、宇宙塵、ヌル、S-Fマガジン、SF宝石、奇想天外、SFアドベンチャーといった同人誌・雑誌や当時の生原稿、日本SF作家倶楽部の温泉旅行の様子など、古い資料がずらりと並ぶ。
日本SF界をひっぱった作家として、
小松左京、星新一、筒井康隆、さらに手塚治虫、真鍋博の紹介が続き、
さらに、ウルトラマンをはじめとする特撮系、小松左京がかかわった大阪万博と
日本のSFの歴史が続く。
原則撮影禁止なので、
出口近くにある唯一撮影Okなコーナーの写真をどうぞ。
dp2 Quattro |
日本SFのオールドファンは必見。最近の人はピンとこないかもしれないし、
逆に、自分が知らない時代の話が垣間見えて面白いかもしれない。
わたしは古いSFファンなのでもうなつかしやなつかしや。
図録は必須。なぜならこんなだからである。しかも大伴昌司による「サンダーバード秘密基地図解の復刻版」付。
で、
気分がすっかり昭和になったので、
部分的に建て替えがはじまった、都営八幡山アパートの昭和っぷりを撮影してから帰宅。
dp2 Quattro |
昭和の団地を見るたびにウルトラマン・ウルトラセブンを思い出すのですよ。
あの頃、団地が未来だったのだよな。それをいち早く取り入れたウルトラマンやウルトラセブンはすごかった。
まだ小さくてうちの近所にあんな立派な団地がなかったころ、
団地のイメージといえばウルトラマンで、
ホンマタカシが「東京郊外」という写真集を出したとき、
そこに「ウルトラセブン世代が団地を見るまなざし」を感じ取って
未だに好きな写真集のひとつなのであります。
ともあれ、
帰宅して、ascii.jpに猫連載を書いてメール。
0 件のコメント:
コメントを投稿