おおっ
→講談社、全漫画雑誌を紙と同時に電子化へ 「ヤングマガジン」など3誌からスタート - ITmedia ニュース
同社の「モーニング」のデジタル版「Dモーニング」の愛読者としてはまことによろこばしい限り……と思ったのだが、よく見ると「Dモーニング」とはかなり違う。
→マガジン・ヤンマガ、2015年1月より電子書籍化!
1)配信方式の違い
・Dモーニングは専用アプリへの配信で、1ヶ月あたりの課金である。
・少年マガジンなどは一般の電子書籍と同じく各種電子書籍サイトへの配信であり、1冊ごとの課金となる。
→専用アプリは不要だが、1冊ごとに買わねばならず電子書籍サイトによっては購入がめんどくさい
2)価格の違い
・Dモーニングは1ヶ月あたり500円(つまり約4冊で500円)で自動継続扱い。AppleIDで決済できる。これは安い!
・少年マガジンは各種電子書籍サイトでの電子書籍としての配信であり、価格は紙媒体と同じの予定である。アップルのサイトの場合、雑誌用の「NewsStand」ではなく「iBook」での配信となる。この辺がナゾ。
→つまり、割安感はない
えーーーっ。
Dモーニングってすごくよくできててよかったのに。
月500円だからすごく割安だし、月ごとの課金で、アプリを立ち上げると自動的に最新号がダウンロードできるのでいちいとストアへ行って購入する手間がないしですごく使いやすかったのに。全雑誌をこの方式でやるとコストがかかりすぎるのですかねえ。
これじゃあ単にデジタル化しました、ってだけで、残念である。
よい先行事例がある分、よけい気になる。
電子書籍サイトだと、他の電子書籍とごっちゃになっちゃうから管理もめんどくさいし、毎号手動で購入するのもめんどくさいし、価格的なメリットもない。そもそも単行本向けの設計だし。ただ、1冊ごとに買えるので、バックナンバーの買い逃しには対応できる。メリットはそのくらいか。
うーむ。ちょっと拍子抜けだったなあ、単にデジタル化しての配信もしますよ、というだけだったなあ、どうしようかなあ、というところ。
せめて、NewsStandアプリにできなかったか。
ちなみに、一番簡単なのがAppleIDで買えるiBookStoreなのだがそっちだと300円になる(これはストアの問題なのだが、実売の260円より割高なのは問題)。
もうひとつ電子化で問題となるのは、電子版だと掲載されないコンテンツがあること。
アイドルの写真などはまあおいといて、
Dモーニングでは浦沢直樹作品や井上雄彦作品が掲載されてない。紙媒体オンリーとなっている。
週刊少年マガジンは、「はじめの一歩」が紙媒体オンリーとなるそうな。
これも残念。
浦沢直樹に関しては、年末のハフィントンポストのインタビューでちょっと答えてる。
→「読者がお金を払わなければ、"あるべき関係性"が結べない」――漫画家・浦沢直樹さんインタビュー
具体的には2つ。
浦沢:うーーーーん。「問題意識」というほどのことかどうかはわからないんですけど、僕は作品を1回も電子書籍化したことがないんですよ。紙媒体だけでやっている残り少ない原始人(笑)は、もう本当に、数えるほどという感じ。なぜやらないのかというと、第一に画面の小さいスマホで読んでほしくない。それと、漫画って見開きで読む形態なので、それがキープできない媒体では、見てほしくないんですよ。見開きの状態で眼がどういう風にページ全体を追っていくのかが漫画の演出だと思うので。ただそれだけなんですよ。
それから、今は無料で読める漫画っていうのがあるじゃないですか。僕の今まで生きてきた感じからして、「タダで見る」ってことがどうしても、しっくりこないんですよね。漫画というのは、高いものだったんですよ。僕らが小学生の頃は単行本が220円から250円くらい。とてもじゃないけど、買えない代物だったんですよね。本屋も立ち読みさせたくないから、子供の手が届かない高い棚に並べてた。それを眺めながら「いいなあ、お金が貯まったら、あの単行本がほしいなあ」って憧れていたんです。そういう世代なので、「タダで見る」って、それ漫画の見方じゃないよな、って。うーむ。
前半に関しては全面的に賛成。見開きをきちんと意識して描かれた作品は見開きで読みたいし、わたしが漫画をiPad Airで読むのは、あのサイズと解像度だと「横向きにして見開き表示にしたときちょうどいい」から。あれだと見開きで快適に読める。
作者が左右ページの構成を意識して描いていたら、その通りに読む方も受け取れる。
一時期ケータイコミックで流行った、コマごとに割って1コマずつ読むとかもうありえんですわ。という感覚はある。
後半に関しては……電子書籍化とは別の問題な気がする。
で、だったら、「浦沢作品だけは強制的に見開き表示になる」という縛りをつけてもいいから、Dモーニングに出して貰いたいわ。
もちろん、単行本は紙で揃えたいものは紙で買うし、電子書籍でいいものは電子書籍で買う。それは自分で決めます。
個人的には、作家が作品をどういう形で届けたいかは作家の自由であるからして、電子書籍化はしばらくしません、というならしょうがない。
ただそれは、単行本の場合で、
雑誌ではどの作品も全体の一部にすぎないわけで、
そこはそのまま出して欲しいですよと思う次第です。
昔から、雑誌こそ一番電子化に向いてる、と思ってたし、
たぶん、どっかで書いたこともあるし、ブログでも書いた。
Dモーニングはそのいい例だ。
でも、
単にデジタル化して電子書籍ストアに他の本と一緒に並べます、
レベルで終わったらとても残念。
と文句ばかりいっててもアレなんで
一応買ってみました。
紙雑誌とは表紙が違う(笑)。
まあ大島優子側の許可がとれなかったのでしょう。
雑誌の電子化も大変なようです。
ともあれ、単なるデジタル化ではなく、
デジタル時代の雑誌に進化していって欲しいなあ。
0 件のコメント:
コメントを投稿