「私は好きにした。君らも好きにしろ」といわれたので
「シン・ゴジラ」2回目観てきた。
そもそも映画を観に行く習慣があまりないわけで
同じ映画をこの短期間で2度も観に行くなんて
自分的には前代未聞であり、
まあそれだけ面白いのである。
もういい加減ネタバレもなにもないよなということで。
アクアラインのトンネルで崩落とかこえー
海底トンネルを走りながら、ああここで事故が起きて海水が入ってきたら怖いよなあと思ったことある人ならわかるかと。
前半は会議シーン中心なるも早口も含めハイテンポで進むので退屈しない上に、ゴジラの登場を受け入れた国がどういう国なのか見せる大事なシーンで
しかもまだみんな切羽詰まってないので笑えるシーンも随所に。
御用学者3人登場なんてあそこは笑うとこでありましょう。
集められた各省のマニアたちがちゃんとマニアな喋り方をしてて違和感なくてそれだけでたまらん。
やっぱ隠れ主人公は文科省の安田と環境省の尾頭だよなと思うわけだが
Twitter見たら同じ感覚の人が多くて納得。
あのふたりの喋り方とテンションがいい。
特に尾頭人気が予想以上。
→【シン・ゴジラ】尾頭ヒロミいいよねという画像まとめ【ネタバレあり】 - Togetterまとめ
巨大不明生物は第二形態が特にいい。
あの抜けた顔とぶるぶる震えるエラで呑川を遡上するすがたがたまらん。
あれこそキモカワいいというべきではないかと小一時間。
デカい映画で「呑川」が連呼されるとは!
あれだけ細かい会話が多いのに説明過多にならない凝縮感。
武蔵小杉に多摩川浅間神社。
お馴染みの場所過ぎてそれだけで萌える。
多摩川浅間神社の多摩川側にあるバルコニーに前線基地とか。
市街地を避けて多摩川で戦うというのもよし。
全弾命中。
自衛隊が全力でゴジラと戦ってはじめて
ああ自衛隊の武器では倒せないのだなと納得できる。
日系三世役が浮いてるのは浮いてる役だから浮いてるのであって
尾頭課長補佐の引き立て役としてもあれはあれでいいのである。
一部の天才や愛や偶然の産物やスーパー主人公の活躍ではなく、
他よりちょっとヘンでちょっと優秀な人たちの知恵と集中力で戦う姿が
斬新でドキドキする。
民間企業や他国の研究施設まで巻き込んでの総力戦。
誰も全力で走ったり号泣したり叫んだりしない。
コツコツと作業を進める緊迫感。
米国の攻撃をうけて
全力を出したゴジラはエネルギーをふたたび溜めるまで沈黙する。
全力のだしっぷりとそれを冷静に観察する面々がみどころ。
ゴジラがためてためてためてぐわーっと爆発するシーンの
圧巻は何度みてもたまらん。
やっぱ安田と尾頭のコンビがいい。
24時間足りないってときに
安保理常任理事国のどの国を崩して時間を稼ぐか
根回しに走るところが妙にリアル。
スーパー超兵器で派手なドンパチするのが戦いだと思ってる人から
酷評の最後の戦いだけど、
いや、派手なドンパチだけが戦いじゃないから。
圧倒的でチートな敵に対して知恵と科学で対抗する非力な人類という
構図できっちり戦ってるのがよいのではないか。
怪獣映画のやられ役として定番な
電車とビル群の武器としての逆襲がたまらん。
無人在来線爆弾もいいけど、
その前の新幹線がつっこんでく姿も泣ける。
怪獣映画の様式美をきっちり踏まえた上で
それを活かしたり逆手にとる演出のマニアックさ。
この映画にメッセージがあるとしたら
「私は好きにした、君らも好きにしろ」
でありましょう。
このひとことを中心にクライマックスは回るのである。
お子様には難しい……ってのは確かにそうかもしれない。
現代の日本が現代の日本ならではの戦う姿をきっちり映像で残したという
良質な大人の巨大不明生物災害エンタテイメント映画なのだから。
これは劇場で見ておくべきでしょう。
TOHOシネマ新宿 from ogikubokei on Vimeo.
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