ブラタモリの通常放送が3月末で終わるという話だったので、
今月いっぱいは続くかなと思ったら、なんと今回で終わりだったとは。
まあ、終わります、と言わないでしれっと次回がやってこないってのはブラタモリらしさではあるのだが、最終回が指宿だったかー。
ここんとこ、鎌倉→正倉院と番組内での大きな移動がない回が続いたので
地形メインから歴史文化方面へ行くのかなと思いきや、鹿児島へ飛んで終了。
後半は地元の観光推しから逃れられないような内容の回もちらほらありはしたし、
台本を元に進行するのが、案内人であることから案内人によって面白さに差が出たりもしたけど(知識が広い人はタモリさんの突然の質問に当意即妙だし、普段観光ガイドをしてる人は……この辺をツッコミ出すと天に唾することになるのでしないけど)、
基本的に知的でよい番組でありました。
Twitte(X)にも書いたけど、
タモリさんは確かに地学を中心に深い知識を持ってるのだけど、
さすがにローカルな地勢について何でもかんでも知ってるわけではなく、
かといって、収録時にあらかじめ答えを知ってるわけでも台本を読んでるわけでもなく
(これはブラタモリに出演した方や企画を手伝った知人らから聞いた話)
すべてその場で自分の頭の中を総動員してその場で考えて答えているわけで、
「考える」ことの楽しさや良さをテレビで見せてくれる希有な番組だったといっていい。
テレビ的な世界ではどうしても「知識が豊富、いろんなことを知ってる≒頭がいい」みたいなノリでバラエティは進行しがちだけど、大事なのはそこじゃなくて基礎知識がちゃんとあればその場で考えて何かしらの答えを得、それが正しければOk、間違っていればその場で頭の中を修正していける柔軟さなのだ。
感心すべきは知識量ではなく、持っている知識を組み合わせて何かしらのイメージを創出することであり、基礎知識がきちんとしたものであればそうそう間違った結論は出ないし、間違っていてもすぐ修正できる。
そういうことがテレビから伝わってるといいなあ。
もひとつ。
ブラタモリは「マンスプレイニング」だという言説がちょっと盛りあがった。
確かにタモリ+女子アナウンサーという構図だけを見るとそういいたくなるかもだけど、
あの番組は、
むしろタモリさんが「マンスプレイニング」をまったくしない……つまりいちいちアシスタントに向かって蘊蓄を傾けたり知識を開陳したりしないのが特徴であり、
アシスタントのアナウンサーは自分で食いついていかないと置いてかれる、
そうならないように食らいつく(それはつまり、その筋の知識があまりない視聴者のためにもなる)のが仕事なわけで、
どこにも「マンスプレイニング」の要素はないぞ、と思うわけである。
まあ、あるとしたらアシスタントの人選を行うNHKの頭の中だろうな。
ともあれ、長い間お疲れ様でした。
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