日本版iBookStoreがオープンしたとき、なんか面白そうなマンガはないかな、あ、「ビブリア古書堂の事件手帖」があるじゃないか、これでも読んでみようと手にしたのが運の尽き。
いささか栞子が巨乳過ぎる感はあるけど、おもしろいではないか。
こいつは原作を読まねばなるまい、と、
そこでiBooksじゃなくてKindleにいっちゃうところがゲンキンなとこで、
Kindleだと家ではPaperwhiteで、外で続きを読みたいときはiPhoneで、表紙や口絵をカラーで見たいときはiPadで、とマルチデバイスなのが何かと便利なのだ。
この内容ならライトノベルな文体じゃなくてもいい気がするし、キャラ設定もライトノベル的で(とわたしてきにはそう思う)、栞子さんを人見知り激しい巨乳キャラにしなくてもいい気もするのだが(でもライトノベル的にはやっぱ巨乳は必要なのだろうか)、
でもメチャ面白い。話が面白い。人物や情景描写がライトノベルっぽくわかりやすくさらっと書かれているのでさくさくと読める。
何故iPhoneのKindleでは口絵や目次がこんなことになるのだ? |
何がいいって、全体の構造。
連作短編の形を取っていて、
ひとつひとつの短編にすべて1冊の古書が絡んでいて
その古書にまつわるあれやこれやを探ったり解決したりするという感じで、
栞子さんが足を怪我していて歩けなくて病室にいて(1巻の最後に退院するんだけど、その後も杖をついてる)、そこで古書を手にマニアックな知識と優れた記憶力と推論であれこれ解決するという安楽椅子探偵的な側面を持ちつつ、
1巻ごとに大きなテーマがあって、
古書にまつわる連作が進むにつれ、大きなテーマが動いていくのだ。
1巻だと、うら若い古書店店主でビブリオマニアで巨乳な栞子が何故怪我をさせられたか、怪我をさせた相手とどう対峙していくかが大きなテーマ。
それをサポートするのガタイのでかい主人公、
古書堂の面白い常連客がそれに絡んでいく感じ。
2巻以降は栞子とその失踪した母親の関係が大きなテーマとなり、
2巻では、栞子の失踪した母親へのこだわりが明かされ、
3巻では、失踪した母親が娘の動向をアレコレなことが明かされ、
4巻では、……実は4巻はまだKindle化されてないので読んでないのだけど、この流れからして、母親が姿を見せる(あるいは何らかの形でビブリア古書堂に関与してくる)んじゃないかなあ。←予想
まあ各巻の副題を読むとなんとなくわかる感じなのも親切でよいです。
で、そういう大きな流れがありつつ、それとは全然関係なさそうな古書にまつわるちょっとした事件とその解決がなされていく。
他の古書店との関係や古書にまつわる謎ときの絡みで母親の過去が明かされたりとか。
全体としては、
栞子が古書にまつわる謎を解くにつれ
一緒にいる主人公が栞子の謎を少しずつ開いていく。
その構造がちゃんとしてるので、
連作短編集としても楽しめつつ、大きな物語の進展を……ああくそ、さっさと4巻をKindle化してくれー。今から紙の書籍で買い直すのはいやだぞ。
てなわけで、いやあ、予想以上に良質なエンターテイメントでありました。
古書店を舞台にこれだけ面白く展開できるのだからすごいですよ。
テレビドラマになったからといって避けててはいけませんな。
そうそう、サンリオ文庫/サンリオSF文庫の話もちょろっとでてくるんだよな。うちにもサンリオ文庫(SF文庫が半分以上だけど)が26冊ほどあったなあ、もしかして価値が……他社から再翻訳が出てるディックものが多いからそうでもないか。
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