2024/03/17

0317-02:麻布台ヒルズ初訪問-愛宕神社から麻布台ヒルズへ

愛宕神社の男坂を下り、そこここかしこで工事している中、南下。
愛宕トンネル(1930年竣工)を抜け、


桜田通り(国道1号)側に出るのだが、その前にお寺に立ち寄り。

桜田通りと愛宕山の間はかつて寺町で、今でも愛宕山下にいくつか寺院が並んでいるのだ。

興昭院の「こんにゃく閻魔」と通称「さる寺」の栄閑院。

興昭院は1611年創建の浄土宗の寺院。こんにゃく閻魔は、眼病が治るよう祈願し、無事治るとこんにゃくを奉納したことから。


そういえば、文京区にある源覚寺のこんにゃく閻魔も眼病とこんにゃくだった。

あちらは眼病が治った婆さまが、好物のこんにゃくを断ち、備え続けたという由来がある。

眼病とこんにゃく、どんな関係があるのかいつか調べてみたい。

栄閑院の「さる寺」は、寛永年間に「猿まわし」が本業の泥棒がおり、改心して、猿をおいて巡礼に旅立ち、その猿は寺で可愛がられたという逸話によるもの。境内には猿塚がある。


他にもいくつか寺が残っているが、その辺はスルーして、

桜田通りに出て左折する。ここは室町時代の東海道といっていい。桜田門と小田原を結ぶ旧い街道だった。

・麻布台ヒルズ訪問


麻布台ヒルズの入口に来たのでシータ。東京タワーと麻布台ヒルズの両方が見える場所だ。

麻布台ヒルズ前でシータ #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA


ちなみに、再開発前の麻布台ヒルズ入口はこんな感じ。

2019年の我善坊谷入口。奥に西久保八幡の山が見える

同じ場所から撮ろうと思っていたら……撮影した歩道橋が丸ごとなくなってた(正しくいえば、少しずれた位置に移された)。がーん。

ともあれここがこうなったのである。すごいね。


麻布台ヒルズ自体に入るのははじめて。

麻布台ヒルズ入口から少しずつ奥へ入っていく。ブランドものの店には興味ないから。

すると大きな違和感を感じる。

もちろん谷間の小さな町が全部解体されて更地になって新しい街が作られたのだから違和感は当たり前なのだけど、それは想像できる範囲。

違和感を感じたのは身体だ。地形が違うのである。

おかしいと思ってスーパー地形を見る。やっぱ違う。

赤い線は2019年のログ。紫の線がこの日に歩きながら録ったもの

かつてここは我善坊谷というちょっとした谷で、谷を奥へ歩いていくと左右も奥も急斜面でその谷地だけ凹んでいたのだ。地形図を見てもそうだ。

でも歩いて見えると、その谷地が緩やかな上り坂になっており、急斜面はなく、自然に高台につながっているのである。

森ビルは地形まで変えたのかー、って感じ。「谷」がいつのまにか「ヒル」になってた。


といっても当時の地形の名残をわざと部分的に残したのか、人工的に新しく作ったのかわからないけれども、それなりに細かな高低差があり、すごくわざとらしさを感じる。


その自然を振りまいているようで実はとてもあざとく人工的であるところがイマドキなのだといわれるとそれはそれで面白いわけで、湾曲したビルやそこに張り付いた緑や木々も含めて、わざとやってるとしか思えない人工的な自然という違和感がこの麻布台ヒルズの魅力なのだろう。

実は、工事中や工事がはじまる前の我善坊谷で撮影したりTHETAしたりしたので同じ場所でもう一度撮ろうと思っていたのだけど……変わりすぎててわからんかったわ。

ただ、かつての我善坊谷にあった時が止まったような旧い街並みにノスタルジーを感じて惜しがるのは違う。

あれは、古さが残っていたんじゃなくて、「すでに開発が決まっていたため、新しく建て替えることもできなくなった、時を止められた街」だったからだ。時が止まっていたのではなく、止められていたのだ。好きで古い町のままでいたわけじゃないのである。

時が止められていた我善坊谷(2019年2月)

さてここまで来たらあそこへ上らないわけにはいかない。

もと「日本郵政グループ飯倉ビル」、1930年竣工の「旧逓信省貯金局庁舎」跡地に建てられたJPタワーの展望フロアである。

ちなみに、2007年に撮影した1930年竣工の建物がこちら。

カッコいいよねえ。

これが完全に取り壊されて跡形も無くなり、「麻布台ヒルズ」を代表するモダンな超高層ビルになった。

麻布台ヒルズは谷地だというけど、このJPタワーは高台に建ってるじゃないかという人もXで見かけたけど、いや「JPタワーだけ」が高台で、そこ以外は谷地の地形を改変して作られた「ヒルズ」なのだ。

展望フロアまでの行き方がよくわからないので案内の人に尋ねたりしつつエレベーターで上る。


広いフロアは観光客でいっぱいで、特に東京タワーが見える方向は人気だ。



ここからの眺めは素晴らしく、

見下ろすと、ロシア大使館、桜田通りの旧道の90度カーブ、西久保八幡神社、芝丸山古墳、幸稲荷神社などが一望できる。






そして、海が近い。空気が澄んでいたら房総半島も富士山も見えるだろうなあ。

思わずシータ。


実はここでも「荻窪さん?」と声をかけられた。またもや旧知の人(昔、仕事をさせてもらった)と会う。たまに都会に出ると都会がせまくてびっっくり。

ひととおり楽しみ、エレベーターで降りたら、外苑西通り側に出る。ロシア大使館の前だ。

愛宕神社で会った街歩き仲間に、ロシア大使館前に大統領選挙投票のための行列ができてると聞いたので、見ておこうと思ったのである。

そして雁木坂から霊友会の前を抜け、西久保八幡をスルーし麻布台ヒルズ方面へ再び。





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