2021/02/16

0216:江戸城址を堪能してから日本カメラ博物館散歩の日

ヒマな上に天気もいいので出かけることにする。

目的は日本カメラ博物館。

JCIIフォトサロンで「幕末・明治の古写真展 パノラマで見る江戸・東京」、そのあと日本カメラ博物館で「デジタルカメラ 1981-2021」展という流れである。

仕事がら、デジタルカメラの歴史をやるのなら観ておかねばなりますまい。

日本カメラ博物館(とその隣のビルのJCIIフォトサロン)は半蔵門駅からすぐなのであるが、この好天の下、直行しては面白くない。

いったん九段下へ出て、旧九段会館前を通り、清水門から江戸城北の丸を東から西に横切って半蔵門、というコースにする。

江戸城址を訪問するなら清水門がいいのである。

ここ、不便なのか訪れる人も少なくあまり観光地化されてないので江戸末期の様子がかなり残っている上に、門の脇の土塁の上に階段で上れるのである。

どこをどうみても立入禁止とか階段を上ってはいけませんとか書いてないので、大丈夫なのだ。

門を入って右手にあるこの階段を上ると、

眼下に清水門とお濠を一望できるのだ。たまらん。

さらに奥に入ると、清水門自体も見下ろせる。


江戸城の地形も合わせて楽しむべし。

で、旧近衛師団司令部庁舎(かつ旧東京国立近代美術館工芸館。工芸館はすでに移転しており、今は敷地に入れない)を見つつ、


千鳥ヶ淵の高射砲台跡に座ってくつろぎつつ、

半蔵門経由で日本カメラ博物館。


さきにJICCフォトサロン(これは無料)を見学すると、日本カメラ博物館の割引券が貰えると聞いていたのでその通りにする。



昔のパノラマ写真は面白い。思わずいろいろと探してしまう。お茶の水に太田姫稲荷とおぼしき社があったのは発見。

フォトサロンでは展示会図録に加えて、今までの古写真展の図録を4冊ずつセットにしてそれぞれ2000円で販売してて(1冊ずつ買うと3000円を超えるのだ)安かったのでつい買ってしまう。


さて、日本カメラ博物館。

「デジタルカメラ 1981-2021」であるが、世界ではじめてデジタルで写真を撮影したのはコダックで1971年のこと。これは試作したレベル。

今のデジタルカメラにつながる「イメージセンサーで撮影した画像をメモリーカードにデジタルで保存する」カメラをを世界最初に開発したのは富士フイルムでDS-1Pで1988年のことである。

でもこれは発売には至らなかった。世界最初にデジタルカメラを発明したのはコダックで、世界最初にデジタルカメラを開発したのは富士フイルムで、でも世界最初にデジタルカメラを発売したのはまた違うメーカーという世界初がいろいろあってややこしいのだが、どこにも「1981年」って出てこない。

じゃあ「デジタルカメラ1981-2021」とは何か、というと、ソニーのマビカである。

ソニーがマビカを試作して発表したのが1981年なのだ。今年はそこから40年というわけ。

ただ、マビカはデジカメじゃない。どっこもデジタルじゃない。

CCDが得た信号を映像化してアナログデータとして「フロッピーディスク」に記録するアナログカメラなのだ。ビデオカメラの原理でスチル写真を記録するので「ビデオスチルカメラ」、あるいは電子的に写真を記録するので「電子スチルカメラ」と呼ばれてた。

とりあえず、今のデジタルカメラの原点ではあるけれども、マビカ自体はデジタルじゃない。

まあこんなことツッコムのはオトナゲないよなと思うからいいんだけど(「電子カメラ 1981-2021」展にしとけばよかったのに)、

せめて「アナログの時代」と「デジタルの時代」ははっきり分けて展示して欲しかったな、とは思う。

展示の仕方に不満点はあるし(撮影禁止とあったので写真はなし)、さすがにデジタルカメラに関しては見たことないカメラは展示されてなくて、歴史をおさらいしてきた感が強いのだけど、常設展も面白いし、デジカメの歴史を追いかけてない人(ほとんどそうだ)にはよいかと思う。



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