2015/06/05

カシオの話を聞いてAppleWatchについて考えた

昼、神保町。家電批評編集部で打ち合わせ。
夜、昨日の樫尾俊雄記念館訪問記(ちょっとちがうけど)の記事を書いてメール。

カシオの増田さんの話を聞いてAppleWatchについてちょいと考えた。

・AppleWatchを代表とするスマートウォッチはスマホと常時連携することで力を発揮するタイプ。スマホのヘビーユーザーには大きなベネフィットがあるが、スマホをそこまで使ってない一般のユーザーにはまだ早い。
 →その通り。でもAppleWatchの初代機としてはいいアプローチで、まずはiPhoneのヘビーユーザーに使って欲しいという製品なのだ。これはよいアプローチ。
 この先、スマホのヘビーユーザーが増えるに従ってAppleWatchが多くの人に受け入れられていくようになるか、あるいはスマホのヘビーユーザーじゃなくても気持ちよく使えるものになっていくか。

・カシオはかつて作った多機能デジタル腕時計から3つのことを学んだ。面白い機能≠本当に必要な機能というわけじゃない、多機能にすると操作が複雑化して使いづらい、機能がデザインに悪影響を及ぼす
 →ガジェット好きには面白がってもらえたが、一般には広がらなかった。
 →AppleWatchで感じるのは「ガジェット臭さ」を徹底的に消そうとしたこと。だから、ガジェット好き連中はそのデザインを含めて物足りなさを感じてるけれども(その他のスマートウォッチは非常にガジェットくさい)、そもそもiPhoneからしてそうだったのだ。ガジェット臭さやデジタル臭さを感じさせないのがiPhoneのすごさで、だからデジタル好きなわけじゃない多くの人が使うようになったわけで、AppleWatchもその路線。
 腕時計くさすぎるとは思うけど、気がついたら手放せなくなってた、という人が増えて、徐々に浸透していけばよいんじゃないか?

 ちなみに、カシオはそれらの技術を元に、2004年から高機能アナログ腕時計に戦略を変更し、定着し、過去最高の売上高を達成したそうです。

・そうそう、カシオが10年以上前に開発したおもしろ腕時計(といっちゃアレだが、我々はカシオが新製品を出すたびに「おお、今度はこれを合体させてきたかー」と面白がってたのは確かです)で挑戦した技術が、今でもスマホなどで生きているってのはわかってたけど、AppleWatchの光を当てて測る心拍計の技術もカシオがもう大昔にやってたとは知らなかったわー。指をのっけて脈拍を見るという機能だったけど、技術的には同じ。
 →やっぱ新しい技術が登場して、最初にそれを利用した機器が登場して、それがいかに完成度が低かったり「誰がつかうんだこれ?」的なものだったとしても、その技術がこなれて低コストになって小型化されて、新しいアイデアとともに一気に浮上する、というケースはこの世界では当たり前のように起きてるわけで、やはりあなどりがたしカシオ、だったのだった。
 →IT業界を見てきた身としては、面白そうな技術のフォローアップは忘れないようにしないとな。ドローンだって、こんなに流行るずっと前にDr.Droneを「これは面白い」と買っておきながら……眠ってます。もったいなかったな>自分

だって、これ撮ってYouTubeにあげたの、2010年だもん。5年前だよ、もう。


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