2023/04/07

0407:「パブリックアート入門」が面白い

歯医者の日。月初めなので保険証をといわれ、マイナンバーカードをセットして顔認証する。


1回目は失敗、2回目で成功。

これ、マイナンバーカード上の顔写真とマッチングさせるので精度を上げるの無理があると思うわけで、もともと機械で認証するために写真撮ったってわけではないだろうし。

たとえばiPhoneの顔認証は、顔を動かしながら立体的なデータ撮ることで精度とセキュリティを上げてるわけで、写真と一致するかどうかで判断するって難しいと思う。

かふかを医者に連れて行く。

良くなってるのかなってないのだか、どこまで金をかけて検査をするか。

悩ましい年頃の猫である。

帰宅したら、浦島茂世さんの「パブリックアート入門」が届いてた。献本してくれたのだ。


これが面白い。

「入門」と名づけてるだけあって著名どころから、そのアートがなぜそこにあってどんな歴史を持ってるかという深掘りの面白さを教えてくれるし。

六本木ヒルズの蜘蛛の話からはじまるのがまたいい。あれ、六本木ヒルズへ行ったことある人なら誰でも知ってて、でもほとんどの人がなぜそこにあるのか、誰の作品なのかは知らないというよい存在なのだ。わたしもずっと気になってたもの。探したら、2003年に撮った写真が一番古そうだった。2003年は六本木ヒルズが竣工した年だから、できてすぐ何らかの用件で六本木ヒルズへ行き、蜘蛛が気になって撮影してたのですな。その前年か前々年だかニューヨークへ行った際、この作品を目にしていたので「え、なぜあれが六本木にあるの?」と思い、強い記憶に残ってたのである。

今日やっとその作品名が「ママン」だってことを知ったわ。

2003年6月。できたばかりの六本木ヒルズにて。

パブリックアートの歴史や日本では戦前に彫像や銅像を置くのが流行ってたけど

それらの多くが戦時中に金属供出の憂き目に遭い、戦後、あらたにパブリックアートが設置されはじめたという話が例とともに語られ、

後半は、いろんなパブリックアートを具体的に紹介してくれる。東京のものが多いけど、各地方のパブリックアートもあり、街を歩きながらキョロキョロする人なら知ってるパブリックアートの5つや6つは出てくるわけで、それについての深掘りを知ることで、次に街を歩くときの視点が変わるという、街歩きの楽しさを増してくれる本なのだ。

井の頭線渋谷駅を使う人なら誰でも知ってる岡本太郎の「明日の神話」が発見されたくだりも、東日本大震災直後に「Chim↑Pom」が追加した画の話も(これ、見たかった。炎上したけど、個人的にはよくやったと思う。元の絵に手を加えたわけじゃないし。その後岡本太郎記念館に寄贈されていたのは知らなかった。展示されてるなら見たい)ちゃんと書かれてる。

キャナルシティにあるナムジュンパイクの作品が取り上げられてるのもいい。ああ、昔(2001年頃?)福岡へ遊びに行った時に見た記憶があるんだけど、写真に撮ってなかったのだよなあ。それが残念。CRTを並べたあの作品がまだ現役だとはびつくり。

などなど。

未掲載のパブリックアートだと、府中の走る童子が好き。三叉路の叉の空間をすごく上手に使ってて素晴らしい。


演奏系の像も好き。本書にも取り上げられてたけど、外苑前交差点のこれもいい。場所に合ってる気がする。


読みながら、江戸時代に辻に置かれた地蔵や庚申塔は当時の人にとってパブリックアート的な存在だったんじゃないかと思う。

現代から見ると余計にそうだ。150〜300年前の野仏なんて現代人にはアートだもの。




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