2019/04/29

井伊直弼から都橋商店街ビルのバーまで、横浜の昼と夜を堪能した至極の1日であった

横浜を堪能する日。

たぶんはじめて横浜を訪れたのが1989年。
サラリーマン時代、親会社が横浜博覧会に絡んでるとかで
チケットを買ってくれ、的なのがまわってきたのである。


あの頃はもちろん東急東横線の終点は桜木町で、
みなとみらい線なんてなかったので
桜木町から歩いていったのであった。
ランドマークタワーもなし。

あれから30年。

妻の友人と桜木町で待ち合わせて
妻も合わせて3人で横浜散歩……とはいえ、
GWなのでみなとみらいと中華街は大混雑である。
桜木町駅なんてびっくりするくらい人が下りてた。

でも我々が向かうのは逆方向。

観光や仕事で行く人たちに馴染みがある
みなとみらいや山下公園や大桟橋や中華街や元町はJRの外側、
対して、JRの内側には地元の人が遊ぶ古くからの繁華街があり、
近年、海辺に集中して開発されたせいか
それらは昭和の香りを残したまま生き延びているのだ。
それが面白い。

具体的には関内か関外かだ。


まず、桜木町駅から内陸側に出ると、
東急東横線廃虚のガード下。
いきなり廃線である。




昔は壁一面にあったペインティングアートがすべてきれいに消されて単なるコンクリートの回廊と化してた。知ってはいたけど無念である。
紅葉坂下で左折して坂を上る。

第一目的地は掃部山公園。
いやあ、誰も……はいいすぎか。数人しか人がいない。
観光客はゼロ。
桜木町駅が吐き出した人々はみなみなとみらい21を目指すからである。

そんな中、我々は掃部山公園の井伊直弼像をみて
悦んでるのであった。
なんなんだ(笑)

まあ、開国を無理矢理決めて条約交わして殺されちゃった人なので、
この山の上から開国された横浜港を感慨深げに見つめてるのである。
世田谷区民としては井伊家ネタは外せない。

そこから伊勢山大神宮を経由して

この「友情」という像がふたりに妙に受けてたのだった。 友情と名は付いているが、ふたりの表情は「友情」というより「愛情」ではないかとしばし。


掃部山の井伊直弼といい、伊勢山の伊勢神宮といい、
「港を見下ろす山の上に明治期に建てられた」ってのが
当時の心情を推し量ると感慨深い。

神宮をすぎたら野毛坂の切通しへ。

この切通しの道、
横浜が開港した際、
東海道と横浜を結ぶ道として拓かれた「横浜道」。
この先、都橋を渡って吉田町である。

明治時代の亀甲石の石垣がポイント。
もとは平沼専蔵(明治期の横浜の実業家・政治家)の別荘のために積まれたものだそうな。


そこから日の出町経由で伊勢佐木町へ。

伊勢佐木町ブルースで名前だけしってた伊勢佐木町をはじめて訪れて感動する。
伊勢佐木町は、最後の遊郭があった場所(上記地図参照)へ横浜港から通う道として賑わったそうな。なるほどなあという感じである。
そりゃ、ブルースにもなるわ。ミナトヨコハマから夜の伊勢佐木に灯がともるわ。

そこで、なぜかタピオカミルクティー。

妻がGWのうちにタピオカミルクティーを飲んでみたいので付き合え、
でも並ぶのはイヤだから中華街なんてもってのほかという。
すばらしいことに、伊勢佐木町のタピオカミルクティー屋は行列もなく
店員も客も中国語と日本語が半々ってな調子のよい店なのであった。

で、伊勢佐木町から福富町を経由して、大岡川長者橋。
この界隈、まあなんというか歓楽街だったりするわけだが、
昭和の意匠を全面に施した雑居ビルが多く残っており、
非常に趣深い。
ディープ街とかいわれてるけど、このあたりは戦後から高度成長期にいろいろあって
その頃の名残であやしい店がいっぱいあるけれども、昭和好きにはたまらん。



特に福富町のこのビルがいい。


そして
都橋商店街ビル。



都橋商店街はわたしがぜったい気に入るから、
と一昨日三井さんが教えてくれた場所。
2つの橋の間、川のカーブに沿って2階建ての雑居ビルが建ってて
その曲がり具合と狭い飲食店がビシッとはいっている昭和高度成長期感がたまらんのだ。
実際、東京オリンピックを前にして野毛周辺の露店を収用するために1964年に建てられたビル。町を整備するために戦後から続く露店をまとめてビルに入れてモダンにしたかったのでしょう。


都橋商店街ビルを通り過ぎ(このときはこの中の店で飲むことになるとは夢にも思わず)、
吉田町へ。



ここまでくればのフォトバーサヨウへはすぐだ。

いやあ、面白かった。JR線の外側の観光地化された横浜とは全然違う、
これが明治大正昭和と人々が揉まれてきた横浜なのね、という感じ。

わたしはそのままフォトバーサヨウへ在廊。

なんと、弓月ひろみ嬢が飯塚敦さんを引き連れてwやってきてくれてしばし歓談ののち
ふたりは都島商店街へ、そこで飲んでるねといって消えていったのだった。

さらに、山田久美夫さんもきてくださいまして、
一緒に在廊してくれた砂田さんと3人でカウンターで最後まで雑談という
なんとも楽しい時間。

なんかやたら密度が濃い日だぞこれは。

21時過ぎ、フォトバーを出てメッセージを打つと、まだふたりは都橋商店街で飲んでるというので
そのまま合流。
なぜか弓月嬢行きつけの小さなバー(まあ都橋商店街の店は全部小さいんだが)で
なぜかウルトラマンを見ながら3人でだらだらととりとめもなく楽しい夜を過ごしたのでありました。

都橋商店街ビルのバーで弓月ひろみ嬢と飯塚敦さんとシータZ - Spherical Image - RICOH THETA
かくして日付が変わるまで高密度を保ちつつ
横浜を堪能した至極の1日は終わったのであった。




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