2016年9月23日金曜日

冲方丁の「こち留」は現代日本人必読の

iPhoneが出た頃、
ガラケーで不満も不便もないからそのままでいいとか
テレビがSDからHDになったとき、
画質はSDのままでいい、HDなんて不要だとか
言ってた人たちどうしてるかなあ、と
思う低気圧に覆われた今日この頃ですが
みなさまお元気でありましょうか。

夜、ともだちと下高井戸でブツの受け渡ししつつごはん食べつつおちゃしつつ談笑。
帰途、iPhone 7系が暗所に強くなったか比較作例を
団地内の暗い公園で撮り帰宅して細かい作業して
寝る前にちょっと本でも読むかと冲方丁の「こち留」に手を出したらハマる。

おれは犯罪は犯さないから警察の厄介にはならない、
と信じ込んでいる能天気な方でも
おれは一生冤罪で訴えられることはないと言い切れないのは、
それは当人が法を犯す犯さないの埒外にあることだからで
冤罪で捕まらない自信があるなんて人は脳内御花畑万歳である。

「こち留」は冤罪で捕まる可能性のある人すべて必読の
体験談であるからして、
広く読まれるべき本なのだ。

冲方丁が突然妻に暴力をふるって怪我をさせたという事由で逮捕されてから
不起訴で釈放になるまでの体験談。
すこぶるディテールまで描かれており楽しめるのであるが
同時に留置場の実態にぞっとするのである。

結局冲方丁とその妻の間で何があったのかという週刊誌的興味をお持ちの方には
不満が残るだろうが(そこについてはリドルストーリーレベルで謎のままだ)
そこを勝手に推測して描くわけにはいかない(不起訴になったとはいえ、そういう案件なので)だろうし、そこは本書にとって本筋ではないのでいいのである。

ともあれ、必読です。
ついでにいえば、冲方丁の「マルドゥック・スクランブル」シリーズは傑作です。
これは面白い。SF好きにはたまらんセンス・オブ・ワンダー。
このコミカライズ版も素晴らしい。
描いたのは「聲の形」の大今良時なのだから。
細かい心身の揺れがきっちり描かれているし、SF的描写のテイストもいい。
すごい漫画家だと思う。この人、ナニモノなんだ? 
映画にもなった「天地明察」もいいけど、
徳川光圀を描いた「光圀伝」もいい。
秋の夜長の長雨にまとめてどうぞ。

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