2013年11月27日水曜日

[歴史]「江戸東京地形の謎」に触発されて「明暦江戸大絵図」と「寛永江戸全図」を買ってしまったよ

二見書房から出てる「江戸東京地形の謎」という本がありまして、
書いているのは、之潮社長の芳賀ひらく氏なのですが、
この本がおそろしく素晴らしい。

寛永や明暦の……つまり17世紀の江戸絵図や安政……つまり幕末の江戸絵図、
さらに明治以降の地図をネタに
東京の歴史にまつわる様々な歴史を読み解いていく本なのだが、
ほんとに「古地図を読み解いてる」のである。
普通、「歴史を読み解く」というと、筆者(あるいは偉大なる先達達)が読み解いた結果をつらつらと書いてるだけの本が多いのだけど、
本書では、筆者が読み解く過程が論理的に根拠をもって記されているのだ。


氏の本を一読してわかるのは、今は死語となりかけてる「博覧強記」の人であり、
それをベースに「知」を駆使して容赦なく解いていること。
膨大な知識と古地図を組み合わせることでさまざまな読み解きが可能になるのだ。
しかも、論理的でソリッドな文体が読んでて気持ちいい。
レベルが高いので読者が一緒になって読み解いていくのは非常に大変であるが、
多少土地勘がある地域だと、その読み解きに気持ちよく引き込まれて
気持ちいいのである。

本書では古地図と現代の地形図を組み合わせ、
地図上に詳細な注釈をつけ、
文中に必要に応じて図版を添付し、
水道橋、丸の内、銀座、赤坂、麻布、上野、渋谷など
様々な地域にスポットを当てて
その歴史の面白さを見せてくれる。

東京の歴史が好きならこれは必読書といいたい。

で、この本に「明暦」と「寛永」の江戸図が何度も出てくる。
これがポイント高いのだ。
わたしも「大江戸絵図」(要するに江戸時代の江戸の地図)の複製を持っているが、
嘉永・安政の頃……つまり幕末である、19世紀である。
人文社から発行されてる有名な江戸古地図と現代の対比本も
嘉永や安政や慶應……つまり幕末の地図なのだ。

江戸時代は265年続いてるわけで、
わたしのように、江戸時代より前の東京を知りたいという人には、
幕末は新しすぎる。

でも、ちゃんとした江戸の地図ってあまり残ってない。
太田道灌の頃の江戸図と呼ばれる地図(長禄年間江戸図)は、江戸時代に作られたニセモノ(というよりは、当時、太田道灌の頃はこうだっただろうと想像して描かれた絵図)だし、
家康の頃に描かれたといわれる慶長江戸図は江戸城周りが中心で
あまり広い範囲じゃない。

対して本書で使われてる「明暦」の地図は17世紀半ば、
「寛永」の江戸図に至っては、徳川家光の時代。
どうも、現存する最古の「江戸全図」で、21世紀になってから発見されたものらしい。
幕末の江戸図より200年ほど前である。同じ江戸でも200年違えばずいぶん違うのだ。

これは気になるーーー、ってんでずっと悩んでたのだけど、
買っちゃったのである。
販売元は「之潮」。芳賀ひらく氏の会社ですな。
以前、ここから「帝都地形図」の一部を買っていたこともあり、
つい「買います」とメールしちゃったのだ、先週。

で、宅配ボックスに入っていたのを明け方受け取ったのだ。
いひひ。

まあ、どちらも限定版なので安い買い物ではないのだが
買っちゃったものはしょうがない。
広げてみると、予想以上に広い範囲が描かれていて、
特に「寛永江戸全図」がすごい。

先日、「常盤橋は以前大橋と呼ばれていたが、常盤稲荷神社がそこに遷座したことで常盤橋という名になった」という話が常盤稲荷神社の由緒に書いてあったと書いたけど、
混沌の屋形風呂: [散歩]打ち合わせついでに人形町から日本橋散歩
寛永江戸全図では「常盤橋」ではなく「大橋」と書かれている。
明暦江戸大絵図では「ときわ橋」と書かれている。
この間に橋の名前が変わったってことなのだ。
そういうことがわかるのである。

そんな細かい話は別にしても、
これから本格的に成長をはじめる時代の江戸の姿を
地図からぼーっと見てるだけでめちゃ楽しい。
個人的には、この地図に描かれている道を辿って、
どれが古くからの道なのか調べるのも楽しい。

明暦というと、家康からはじまった大普請が一段落した頃、
神田川も掘られてるし、四谷見附も作られてる、
寺社の移転もほぼ終わって江戸の原型が完成した頃だと思っていい。

いやあ高い買い物だったけど、面白いわ。
まだ眺めてニヤニヤしてるだけだけど、
必要な時期がきたらそれなりにきちんとにらめっこしたり
スキャンしたりするかと思います。

それはそれとして、
ITMediaにStylus 1のレビューをなんとか書いてメール。
オリンパスのStylus 1……いいわ。
予想以上にいい。動作も軽快だしAFも速いし全域F2.8だしEVFも見やすいし。
なんとも、OM-Dを持ってなかったら買ってた。
サブ機としてOM-D(というかE-M1)と一緒に持ち歩くにはちとでかいし、
かといってOM-Dに変わるクオリティでもないから(1/1.7インチだし)。
でも、一眼レフのサブ機ならちょうどいいし、
レンズ交換式カメラを買うつもりがないのなら
これはお勧め。
まあ、重厚なRX10と同時に触ってたから、
よけい小さく軽く見えるのかもしれないけど。。

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