2012/09/21

iOS6のマップの何が問題なのか

iOS6にしたのである。

通知センターから直接ツイートできるのでついどうでもいいこともツイートしそうでアレだとか、
パノラマがなかなかよくできてて特に上下の画角を確保できるのがありがたいとか
AppStoreがリニューアルしてジーニアスが登場し、お勧めアプリを推薦してくれるものだからついつい余計なアプリを買っちゃって困るとか
デフォルトの書体が明朝体になってWebが読みやすくなったとか
他にも細かい色使いまでいいだしたらキリがないくらい大きく変わったのだが、
一番の話題はなんといっても、地図でありましょう。

アップル独自の地図。
地図に対する懸念は以前のエントリーで書いたとおり
混沌の屋形風呂: iPhone5への期待とiOS6への不安
なのだが
まあ面白いことになっております。
軽くてサクサク動いて3D表示が意外に見やすくて、
ベクター形式データになってすっきりしたのはよし。
でもまあまだまだアレで、
大きくわけるとアレな箇所は3通りある。

1)時間がたてば解決するのでたいして気にしなくてよい問題

・ランドマーク情報が間違ってる
・(特に地方の)情報量が少ない
 地図に問題を報告する機能がついたこともあって、これはもう随時直っていくでしょう。面白がってツツくにはいいけど、深刻な問題ではない。確実に解決するだろうし。
情報量の問題だってまあ都市部に関しては年内にはかなり進むんじゃないかと思ってる。
中の人は大変だろうけど。

2)見慣れてないだけで実は問題ではない問題

日本の地図、特に市街地図ってけっこうカラフルで隣接する町とか字とかは微妙に色をかえていて境界が分かりやすくなってる(いや、なってた、か)のだよね。
アップルの地図はアップルだけあって、色使いも表示もシンプルで、見慣れた地図とは違う。これについては見慣れれば問題ないので心配してない。
シンプルで色が淡い地図ってのもよいもんだと思う。

3)日米(あるいは日と欧米)の地図文化に起因する問題

で、これが一番の問題なのだ。
今回の地図は「米国式」の「カーナビ」を意識したデザインになってる。
事実、ナビモードにはすぐはいれるし、ナビモード時の3D表示は見やすくていい。

でも日本の地図は道路地図だけじゃない。
駅や鉄道といった主要ランドマークは縮尺を変えても必ず目立つように表示されているし、交差点名は表示されているしで、そういった日本の地図文化を日本の地図において取り入れるのか、それとも世界中同じ基準で同じデザインでやるのか、

たとえば、グーグル地図が欧米と日本でどれだけ違うかを見てみるといい。
たとえば、鉄道。
サンフランシスコを表示すると、一番大きな駅がなんとか表示される程度。
でもケーブルカーとかカルトレインとか、名前は忘れたけどマーケットストリートの路面電車とか、鉄道はあるのだ。
かなり拡大しないと鉄路は表示されないのである。
対して日本。広島市を表示すると、路面電車も他の鉄道と同じく、縮小してもくっきりと表示してくれる。
これがローカライズってもんだ。
グーグル地図は日本の地図文化に合わせてくれたわけである。
まあ日本の地図はちょっと駅名の文字がでかくてごちゃっとしてるけどね。


もしアップルが世界中同じデザインで地図を提供する、となると、
日本の地図も情報量は増えて間違いは減っていくけど、
デザイン自体は鉄道をはじめとする、日本の地図とは表示の優先順位が異なったままという可能性があるわけで、
iOS6の地図に問題があるとすれば、ここに尽きると思うのですよ。
わたしはやっぱり、縮小すると鉄道路線が地図から消えるのはいやだし、
鉄道が薄い線で目立たない地図はいやなのですよ。
欧米式のすっきりしたデザインはいいけど、鉄道はちゃんと表示して欲しい。

鉄道の話がわかりやすいので例に出したけど、
日本人にとって読みやすい地図にするか、
どの地域でも通用するグローバルスタンダードな新しい地図をデザインして欲しい。
そう願うところです。



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